表装を習う(1)
最近、叔母に表装(hyousou=mounting)を教わっています。
叔母は京表装の伝統技法を長年学んだ本格派。でも遊び心も取り入れたモダンな作品も作っていて、たとえばこの猫の掛け軸(kakejiku=hanging scroll)は、風帯(上から下っている二本のひも)の先にひげがついてたりします。
ちなみに猫の絵は、もともと市販の手ぬぐいにプリントされていた絵の上に私が別の顔と体を描き重ねたもの(娘たちが、もとの猫の顔を怖いというもので…)。
従妹と一緒に月1、2回叔母の家に行き、まずは小さな掛軸をひとつずつ作りました。
従妹は小さな版画をモダンな創作表装に、私は叔母の手持ちの水墨画を使わせてもらってまずは伝統的なスタイルをミニサイズで。1回に数時間の作業で、完成までには、日をあけて6回通いました。(もっと簡易な方法もあります)
掛け軸作り ①
まずはすべての基本となる「裏打ち」から。
絵や字が書かれた和紙や表装に使う布地などを補強して保存性を高めるため、裏に和紙を何枚も張り重ねる作業です。
薄い絹布なども、裏打ちをすると張りと厚みが出て加工のさい扱いやすくもなります。
使わないスカーフや傷んだ着物に裏打ちしてあれこれ作るのもいいなあと、とりあえず構想だけは広がります(広げるだけ?)
下の写真は、表装に使ういろいろな刷毛。糊をつける、紙を撫でる たたくなど、作業ごとに専用の刷毛を使います。
和紙も一種類ではなく、産地や性質、厚さの違うものを何枚か使います。
裏打ちをしたものは板に張りつけて1週間ほど乾かし、それから次の工程に進みます。